こんにちは、アシリパです。
遅ればせながら、2021年に大ヒットした書籍の「スマホ脳」を読みました。
「気がついたらスマホを触っている」
「毎日のスクリーンタイムが4時間を超えている」
なんかいけないことのような気がするけどついついやってしまう、そんなスマホ依存。
その習慣は、実は人体によくない影響を与えているのをご存じでしょうか。
また、スマホ依存は有名企業の巧みな戦略によって意図的に生み出されているのをご存知でしょうか。
タイトルにある通り、本書は現代の”当たり前の習慣”に警告を鳴らす一冊です。
本記事では、その本のなかから「スマホ依存がもたらす人体への影響とその原因について」解説します。
またその対処方法についても触れていきます。
ジョブスは子供にiPhoneを買い与えなかった。本記事を読めばその怖い真実に気づくことができると思います。
作品情報
スマホ脳
著者:アンデシュ・ハンセン
スマホ依存がもたらす人体への影響について、人間の進化の過程から論理的に解説された本です。本書は、精神科医である著者の実体験や多くの科学的エビデンスをもとに原因と結果の解説を行っているためどの切り口にも説得力があります。そして、それは今の自分の生活スタイルを変えなければと思えるほどです。実際に私は本書を読み終わってから、スマホの利用が極端に減りました。このように、この本の魅力は高い説得力でスマホの過度な利用を抑えることです。もしスマホ依存に悩んでいる方がいれば、是非本書を読むことをおススメします。
スマホ依存がもたらす人体への悪影響

スマホ依存の明確な定義はありませんが、「常にスマホが手元にないと落ち着かない」「スマホを平気で4時間以上触ってしまう」「通知がきたわけでもないのにチェックしてしまう」。これらの症状に見覚えがあれば、スマホに依存している可能性があります。
そもそも「スマホ依存はよくないこと」という感覚は誰しもにあるかと思います。
しかし、具体的にどうよくないのか?については曖昧な部分が多いと思います
そこでここからは、スマホ依存がもたらす人体への悪い影響について解説していきます。
メンタルへの影響
人間はストレスを受けると体のなかで様々な反応が起こります。
たとえば動悸がする、冷や汗が出る、イライラする。これらはストレスに対する反応の一部です。
そして、この反応にはストレスのシステムである「HPA系」が関係しています。
HPA系とは、ストレス反応を調整する脳と内分泌系の連携システムのことを言います。
目の前でストレスである脅威と出会った時に、まずHPA系が「気をつけろ」と警報を鳴らします。
そして、脳の下部にある分泌器にストレスホルモンである「コルチゾール」を分泌するよう指示を出します。
コルチゾールはストレスに対するエネルギーをかき集めて、心拍を早める作用があります。
このストレスに対するシステムのHPA系ですが、脳のなかの「偏桃体」という神経細胞が作動させます。
そして、この偏桃体は少しのストレスに対して作動してしまうという特徴があります。
スマホは様々なストレスを引き起こします。
「SNSの投稿にイイねがついていない」「友達から返信がまだこない」「私よりも良い生活をしていて羨ましい」
こういったストレスに対して偏桃体は常に作動し続けて対処しようとします。
また、この状態が長期に続くことでうつなどの心的症状を引き起こします。
脳の記憶への影響
スマホは、私たちが何かに集中することを邪魔し、記憶力を低下させます。
私たちが何かを記憶しようとする時、脳の中では細胞同士の繋がりが変化し「その何か」を「これは大事なことだ」と認識しようと働きます。
短時間だけの記憶であれば既にある細胞間の繋がりが強まるだけですが、数か月や数年間で記憶しようとすると脳細胞間に新しい繋がりを作る必要が出てきます。
長期記憶を行うことを専門用語で「固定化」と呼びますが、このプロセスには「集中力」が欠かせません
そもそも集中力がなければ、脳に「これは大事なこと」だと信号を送ることができません。
そしてスマホはその集中を邪魔してきます。
スマホから流れるニュースやSNSをチェックして間断なく脳に印象を与えることで、情報が記憶に変わるこのプロセスが正常に機能しなくなります。
人間の脳は仕組み上、2つの作業を同時に処理することはできません。
作業を切り替えたとしても、実際には集中の対象をパッパッと変えただけで脳の意識は前の作業に残っています。
もし今何かの勉強をしていてたまたまスマホを手に取ってしまったとしたら、次に勉強に復帰したとしても集中の対象がスマホにあるため固定化することができにくくなるのです。
睡眠への影響
スマホの画面から出るブルーライトは睡眠に影響を与えます。
人間の体内のリズムは、どれくらい光を浴びるかで変わってきますが、眠りにつく時間を体内に知らせるのが「メラトニン」というホルモンです。
メラトニンは日中は分泌量が少なく、夕方にかけて徐々に増えていき、夜に最も多くなる特徴があります。
たとえば寝室が明るすぎると眠れないのは、光を浴びすぎてしまうとメラトニン分泌にブレーキがかかるからです。
また、分泌量を左右するのはどれだけ光を浴びたかだけではありません。
光の種類も関係があります。
特にスマホの画面から発するブルーライトは、メラトニンの分泌を抑える特殊な効果があります。
眠りにつく前にスマホの画面を見るだけで、ブルーライトが脳を目覚めさせてメラトニンの分泌を2~3時間遅らせます。
睡眠はまとめて取ることができませんので、遅い入眠は負債として体に蓄積され疲労やメンタル悪化にまで影響を与えます。
子供への影響
スマホは特に子供によくない影響を与えます。
人間の脳には思考や意思決定、感情のコントロールを行う「前頭葉」という部位があります。
目の前にポテトチップスがあるとしたら、「全部を食べてしまえ」と思ってしまいますが、同時に「全部食べたら太るぞ」と呼びかけて衝動を抑えようとするのがこの前頭葉の役割です。
このように、前頭葉は衝動に歯止めをかけて、報酬を先延ばしにすることができますが、成熟するのが一番遅いという特徴があります。
一般的には20~30歳までには完全に発達しないと言われています。
つまり、10代の頃は「ポテトチップスを全部食べてしまえ」と呼ぶばかりで、「全部食べたら太るぞ」と衝動を抑えようとはしないのです
スマホには報酬系を活性化させて、注目を引くというとてつもない力があります。
次から次へと魅力的なコンテンツが流れるWebサイト、自分の投稿に「イイね」がついたことや他の人の投稿をお知らせするSNS。これらを見たい・知りたいと思う衝動を抑えることなく、そのままスマホに手を伸ばさせてしまうのは子供の成長に悪い影響を与えかねません。
依存の原因はドーパミン

このように人体へ良くない影響を与えるスマホですが、スマホに固執してしまうのは「ドーパミン」が関係しているからです。
ドーパミンとは、脳内で働く神経物質で人間に行動を促すホルモンとも呼ばれています。
ドーパミンの役割は、「何に集中するかを選択させる」ことです。
お腹が空いてテーブルに食べ物が出てきたら、それを見ているとドーパミンの量が増えて食べるという選択を取らせます。
ここでポイントなのは、食べてる最中ではなく食べる選択をさせる時にドーパミンが分泌されることです。
スマホはこのドーパミン分泌を意図的に起こさせます。
次から次へと流れてくるネットニュースやSNS投稿、コンテンツサービス。これらを見ていると「次はもっと良いのがあるかも」とつい次のページへ指が動いてしまいます。
ある研究では、インターネット上のページの5分の1に私たちは時間にして4秒以下しかとどまっておらず、10分以上時間をかけるページはわずか4%というデータもあるようです。
それほどにスマホは私たちの脳をハックしてドーパミン分泌を促すのです。
また、このドーパミン分泌は有名企業によって意図的に操作されているそうです。
たとえば、フェイスブックやインスタグラムは親指マークやハートマークを敢えて保留にすることで「早く見たい、気になる」という感情を敢えて作り出しています。
これは一種のギャンブルと同じことです。
「次は当たるかも」と何枚もコインを入れてしまうスロットマシーンのように、スマホは心のドキドキやワクワクを的確についてきます。
人類の進化とのミスマッチ

ここ数10年で私たちを取り巻く環境は大きく変化しました。
特にスマホは私たちのライフスタイルを変えたものの一つです。
スマホがあれば全世界の人とつながることができますし、クリック一つで欲しい商品が届きます。
また、次から次へと自分が気になる情報を届けてくれます。
この時代を生きる私たちには、今が大きな転換期に思えてしまいますが、人類の歴史を見るとこれはほんの僅かな期間での出来事でしかありません。
人類は約700万年という時間をかけて進化してきました。
そしてその中でも狩猟採集時代は、人類の進化の過程で約99%の割合を占めています。
そのため、私たちの体の機能や反応は狩猟採集時代に適したものになっています。
狩猟採集時代には次のような特徴があります。
- 食べ物は動物を狩るか、木の実や昆虫を採集
- 50~150人程度の集団生活
- 常に移動し住居も簡素
- 生涯出会う人間の数は200人程度
- 出会う人間は自分と同じような外見
- 全人口の半数は10歳を迎えずに亡くなる
- 平均寿命は30歳足らずで、死因は飢餓・干ばつ・伝染病・出血多量・誰かに殺される
- 人口の10~15%は他の人間に殺された
この時代においては、毎日周囲の敵を警戒し、食料を見つけるために動き続け、小さな集団のなかで生きていました。
今のライフスタイルとは全く異なっているのかが分かるかと思います。
しかし私たちの体は狩猟採集時代に適した作りになっています。
これに反した今の生活は人間の本来の機能を失うことになるのです。
こちらの記事でも解説しています。
※【最高の体調】謎の体調不良の正しい治し方
人間の本来の機能の取り戻し方

スマホによるドーパミン分泌を抑制し、狩猟採集時代の生活に合わせることで私たちは本来の機能を取り戻すことができます。
しかし、そんな簡単なことではないはずです。
そこでここでは誰でも実践できる対処法を2つ紹介します。
デジタルデトックス
まず一番効果的なのは、スマホから離れることです。
アメリカで大学生を対象にスマホをいつも通り利用するグループとSNSの利用を1日30分までに制限したグループの精神状態を比較した実験が行われました。
3週間後、SNSの利用を制限していたグループの精神状態が改善された結果が出たそうです。
また、実験開始時にうつ症状のあった人たちは、以前ほどの気分の落ち込みや孤独を感じることはなくなったということも証明されています。
ここで重要なのは、スマホから完全に離れることではなく、利用を制限することで良い結果が出たということです。
スマホの利用を一時的に制限するなどの少しのデジタルデトックスでも十分な効果は期待できるのです。
また、読書する際にスマホから紙の本に置き換えるデジタルデトックスも効果的です。
ノルウェーの研究者が小学校高学年を対象に、短編小説を紙の本とタブレット端末でそれぞれのグループに読ませて、内容の理解度をチェックする実験を行いました。
すると紙の本を読んだグループが内容をよく覚えていたという実験結果になったそうです。
また、特に覚えていたのが本の内容でどういう順番に出来事が起こったかということでした。
おそらく紙ではなく、タブレット端末で本を読むと文章に集中するよりもドーパミン分泌の報酬がないことを無視するのに貴重な処理能力を使ってしまうため学びの効率が悪くなるからと考察されています。
このようにスマホから物理的に距離を置くことや代替品に変えることで、精神面の改善や知能の向上につながるのです。
運動をする
人類の祖先は外敵から身を守るため、または食料を確保するために常に体を動かす環境で生きていました。
そのため人間の体は運動をすることに最適化されています。
衝動を抑える能力を図るストループテストというものがあります。
ある実験で、ストループテストを受ける前に20分間運動した被験者は、楽に衝動を抑えることができたという結果が出たそうです。
また、約100人の小学生5年生に4週間毎日運動をさせて、実験を始める前と終了してからの心理テストを行う実験が行われました。
すると、集中力が増しただけでなく、ひとつのことだけに注意を向けるのが上手くなっていたという結果になりました。
また、情報処理の能力までもが向上したという結果も出ました。
この実験は教室内で行われて、運動の時間はたった6分間です。
しかし、結果から分かるように少しの運動だけでもプラスの効果が出たのです。
また、運動は集中力や知能のアップに限定されるわけではありません。
不安やストレスの改善にも効果的です。
スウェーデンの実験で、不安に陥りやすい大学生を2つのグループに分けて、片方には心拍数を上げるランニングを、もう片方には散歩をして心的影響を調査しました。
結果は、どちらも不安の度合いが下がりましたが、特にランニングのグループの方が不安の軽減が24時間も続くなどの顕著な結果が出たそうです。
このように運動は人間に良い効果をもたらします。
それは狩猟採集時代の人類が脅威に出くわすと戦うか逃げるかの選択肢を瞬時にとらなければならず、心拍数を上げて生き残る確率を高める必要があったからです。
私たちは運動で心拍数が上がることで体のコンディションが良くなるように作られているのです。
オススメの対処法

ここまでは、デジタルデトックスと運動がスマホ依存から抜け出す有効な手段であることを解説しました。
ここからはそれらを日常的に行うための具体的な方法を紹介します。
スクリーンタイムを制限する
仕事や勉強以外でスマホを使うのは最長2時間とします。
可処分時間の平均値は6時間と言われてますから、1/3までを限界とします。
スクリーンに奪われていた時間を、これからは運動をする、友達と会う、読書をするなど別のことをする時間を設定し、スクリーンに時間を奪われないようにします。
プッシュ通知はオフにする
通知音が鳴るだけで集中が切れてしまうのであれば、通知は全てオフにして遮断するのが効果的です。サイレントモードや電源を落とすなどの方法も効果的です。
チャットやメールをチェックする時間を決める
返事が来ていないかを頻繁にチェックするのではなく、チェックする時間を設定します。例えば30分とするだけで、スマホへの意識をそらすことができます。
強度が高い運動をする
どんな運動でも体に良い効果をもたらしますが、最大限にストレスレベルを下げて、集中力を高めるには心拍数を上げる運動が効果的です。
週に3回45分、できれば息が切れて汗をかくような運動をしましょう。
いかがだったでしょうか。
スマホ依存の原因とその対処法について少しは理解できたのではないでしょうか。
本書にはこの記事で取り上げていない依存原因についての解説や科学的データなどがたくさん載っています。
少しでも気になる方がいらっしゃいましたら是非読んでみてください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
これからもブログの記事向上に向けて投稿を続けていきます。


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