こんにちは、アシリパ です。
「年間100万円の配当金が入ってくる最高の株式投資」を読みました。
以前の記事でご紹介した「新NISAで始める!年間240万円の配当金が入ってくる究極の株式投資」の著者が書かれた第一作目の本です。
前回と違うのは、この本が「投資初心者さん向けに配当株投資の魅力を伝えている」点にあります。
ですので、投資経験がある方には少し物足りなく感じるかもしれません。
ただし、「日本株はあまり興味がない」「投資信託しかやったことがない」方には新しい発見のある一冊になるかと思います。
そこで本記事では、配当株投資の魅力や年間100万円の配当金を手にする方法についてを、分析指標の解説も入れながら紹介していきます。
配当株投資に興味があるけど、なかなか一歩を踏み出せていない方のお役に立てれば幸いです。
作品情報
年間100万円の配当金が入ってくる最高の株式投資
著者:配当太郎
配当株投資の魅力について、投資初心者向けに丁寧に優しく解説してくれている一冊です。新NISA制度の活用方法や推奨銘柄がバージョンアップされている点を考えると第二作目の方がオススメかもしれませが、配当株投資の魅力についてはこちらの方が懇切丁寧に解説されてますので、投資超初心者の方は、こちらから読んだ方が配当株投資の理解度・納得度は高くなると思います。
最後の章には、これから投資をするうえで買うべきオススメ銘柄や業界について解説されていますので、配当株投資の第一歩目を踏み出しやすくなるかと思います。
本書の結論:投資金額1000万超で増配率10%を実現する

まず本書の結論から先にご紹介します。
年間100万円の配当金を手にする方法とは「増配株を時間をかけて、コツコツ買っていく」ことです。
増配株とは配当金の額が毎年増えていく株のことを言いますが、今回は特に優良企業の増配株を買い続けることを指しています。
たとえば、投資資金1000万円で年間の配当利回り5%の増配株を買うとすると、年にもらえる配当金は50万円になります。
1000万円 × 5%(利回り) = 50万円(配当金)
しかし1株の配当金が今年は10円だったのが、翌年には11円になるような増配率10%の株であれば、年にもらえる配当金の額は年間で変わってきます。
投資には72の法則という、もらえるお金が2倍になる期間を求める計算式があります。
72の法則
72 ÷ 金利 =もらえるお金が2倍になる投資期間
先ほどの例をこの計算式に当てはめると次のようになります。
72 ÷ 10(%)=7.2(年)
毎年10%ずつ増配する増配株を買うのであれば、2倍の100万円まで約7年で到達します。
仮に初期投資で1000万円を用意できなくても、増配率が10%よりも高ければ、また増配株をコツコツ買って得た配当金を再投資に回すことができれば100万円の配当金に到達することができるというわけです。
配当株投資の6つの魅力

増配株を買い続けて100万円の配当金を目指すこの投資手法は、難しいテクニックや才能などは特に必要ありません。
つまり、配当株投資は誰でも行うことができる再現性の高い投資手法になります。
そんな配当株投資ですが、それ以外の魅力も多く存在しています。
そこでここからは、配当株投資の魅力についてご紹介していきます。
魅力1:企業が利益を上げ続ければ、半永久的に配当金が得られる
株式投資で利益を得る方法には、「キャピタルゲイン」と「インカムゲイン」の2つがあります。
配当金はこの2つのうちのインカムゲインに該当します。
会社は利益から配当金を出す仕組みとなっているため、企業が利益を上げ続ける限り配当金は自動で手元に入ってきます。
その間は自分は特に何もする必要がありません。株を保有しているだけというのはある意味で究極の不労所得とも言えます。
魅力2:企業の利益が上がると、配当金も増える

投資先の企業の利益が増えれば増えるほど、株主に分配する配当金が増えていきます。
企業は利益を追い続けるのが使命です。
そして、そのために企業に所属する優秀な社員さんが、自分の代わりに一生懸命に働いてくれます。
結果、企業が増配を続けてくれれば手に入る配当金がドンドン増えていきます。
魅力3:株価や市場の動向に影響されない
株式や為替などの金融資産の価格変動の激しさを「ボラティリティ」と言います。
一般的に、ボラティリティが高ければ価格の上下の動きが激しいためリスクのある投資先と言えます。
しかし、配当金投資は株の価格を気にする必要はありません。
なぜなら、ある企業の株価が一時的に急落しようとも、利益が出ている限りは配当金の分配を期待できるからです。
そういった意味では、配当金投資とは株価の動きに動揺することがない心理的安全性の高い投資手法とも言えます。
魅力4:給料以外に安定した収入を確保できる

配当金の金額は、毎年企業がある程度の見通しを株主に報告する決まりになっています。
そのため金額の大小はあるとしても、1年間でどれだけ配当金を得られるのかの見通しを立てることができます。
1年間の配当金の額は、1株配当金×株の保有数で簡単に計算できますので「今年はこれだけの配当金が入りそうだな」と目途がたちます。
このように収入の見通しがつきやすい配当金は、給料などの安定した労働収入の他に安定した収入を得たい方にとって一つの判断材料になります。
魅力5:配当金は自由に活用することが可能
給料などを「労働収入」と呼ぶ一方で、配当株投資で得られる配当金は「資本収入」と言います。
多くの方は労働収入から、毎日の生活や未来への備えのやりくりをしているかと思いますが、資本収入はあくまで余剰分ですのでその使い道は自分で自由に決めることができます。
生活の一部や家族と食事や旅行代に使うのも良しですし、そのすべてを再投資に回すことも可能です。
自由に配当金を使っても、保有している株を手放すわけではないため今後の配当金の額に影響が出るわけではありません。
魅力6:配当金は家族や子孫に引き継ぐことができる
不動産運用で得られる賃貸収入や本の印税と同じく、配当金は「権利収入」にあたります。
そのため、株の所有者が亡くなったとしても、その権利は妻や子供に引き継ぐことができます。
遺族年金などの公的年金制度以外に、家族や子孫の今後の生活を支える手段の一つになり得るということは、生活する上で安心材料になるはずです。
年間100万円を手にする配当株投資の3ステップ

そんな魅力的な配当株投資ですが、本記事の冒頭でご紹介したように、初めから投資資金1000万円を用意して投資を始めるのは、投資初心者にとってハードルが高いことだと思います。
そこでここからは、「段階を踏んで年間100万円の配当金を目指す」ための投資ステップについてをご紹介していきます。
ステップ1:初期投資「100万円」で株を買ってみる
年間100万円の配当金を手にするには、ある程度の時間がかかります。
そのため投資のモチベーションをいかに維持していくかは目標を達成するうえでも大切な要素です。
「これから投資を頑張るぞ!」と思っても、最初の年に配当金が数百円、数千円しか入ってこなければモチベーションは下がるはず。ですので、ある程度のお金の余裕があるならば「初期投資額100万円」で、優良株数社の株を買うことからスタートするのをおススメします。
たとえば配当利回りが4%だとすれば、年に4万円の配当金が入ってくることになります。
配当金が数百円、数千円であれば「ふーん、そんなものか」と思ってしまいますが、万単位の金額であれば、投資初心者さんは手ごたえを感じることができるはずです。
この手ごたえこそが年100万円の配当金を手に入れるモチベーションになるのです。
もちろんコツコツ買い続けることもできますが、はじめから100万円を用意できるのであれば思い切って買ってみることをオススメします。
ステップ2:年間12万円(1か月あたり1万円)の配当金を目指す
年間の配当金が3万~4万に到達しましたら、次は年間12万円の配当金を目指していきます。
年間12万円は月に1万円の配当金となりますので、給料以外の安定収入を得たというありがたみを実感できる金額かと思います。
年間12万円の配当金を得るには、投資金額がら300~400万円までに到達している必要がありますが、そこに無理なく到達するには、ざっくり10年くらいはかかってしまう計算になります。
たとえば給料から毎月2万円を、年2回のボーナスから5万円を投資に回すとしたら年間で投資できる金額は34万円になります。
それを10年間続けると340万円に到達できますので、ステップ2は達成できたことになります。
このようにコツコツと買い続けるわけですが、ここで大切なのは「目標を決めたら長期間持ち続けること」です。
なぜなら優良な配当株には増配という特徴があるからです。
企業の増配率が年10%だとすると、株を買い続ける期間は増配の恩恵がありますし、年12万円の配当金に到達したとしても約7年後には2倍の24万円になります。
72 ÷ 10(%) =7.2(年)
いつまでにステップ2に到達したいかは人それぞれですが、保有株を手放さなければ持っている限り増配の恩恵を受けられます。
それを再投資に回して一気にステップ2まで到達することも、ステップ2に到達してからも受け取る配当金の額を増やすのは、この長期保有が前提となります。
ステップ3:投資金額が1000万円を超えると、成長スピードが急加速する
投資金額1000万円に到達するには、給料などの労働収入からの「追加投資」、手に入れた配当金からの「再投資」、企業による「増配」の3つのエンジンを回し続けていくことが大切です。
著者の実体験ですと、1000万円を超えるとそれからの資産形成の加速度は一気に上がるそうです。
なぜなら、それまでコツコツと積み上げてきた経験による「投資の習慣」が身についているからです。
この習慣が身について入れる、たとえば、余剰資金を投資に回したり、投資から得られる利益を見るのが楽しみになって、生活の無駄使いが自然となくなり、余剰資金を投資に優先的に回すようになります。
また、目標に到達したのでこれ以上の追加投資は行わないにしても、配当金の再投資や増配がある限りは資本額が大きいため十分な効果を発揮します。
ここでステップ3にいくまでに1つ注意しておくことを話しておきます。
それは「株の銘柄を5つくらいに絞ること」です。
具体的なおススメ銘柄は本書を読んでいただきたいのですが、銘柄を絞る理由は配当株投資の意識を上げることと、ポートフォリオを組みやすくするためです。
小さい投資金額であれば気にならなかった資産は、大きい金額で大型株になれば、資産の上下を気にするようになります。
また、株を管理することをポートフォリオを組むと言いますが、企業が出す決算短信などのデータから企業の状態を自然と把握しようとするはずです。
このように、投資金額1000万円であれば投資銘柄を絞ることで資産を管理する意識が上がりますし、ポートフォリオ上で株の指標をみることができれば、企業のこれからの減配・増配予測を自分なりに考えることができるようになります。
買うべき企業を見極めるための指標

投資先の企業を見極めるための指標は実にたくさん存在しますが、ここでは特に基本的なものに絞ってご紹介していきます。
EPS(1株あたり利益)
当期純利益 ÷ 発行株式総数
本書では一番大切な指標とまで表現しているのが、このEPSです。
当期純利益とは、企業の最終的な利益を指しますが、配当金はこの利益から捻出されます。
EPSはその企業がどれだけ稼いでいるのか、稼ぐ力があるのかの指標になります。
ですので、稼ぐ力があれば今後の配当金は増えると予想できますし、反対に稼ぐ力が弱まれば配当金が減るのではないかと予測がつきます。過去の業績から見て年々右肩上がりでEPSが伸びていればその企業は稼ぐ力のある優良企業だと判断できます。
PER(株価収益率)
株価 ÷ 1株当たり利益
PERは株価が1株当たりの利益の何倍になっているかを見るための指標です。
特にPERは同じ業界内の他社と比較するのに有効です。
たとえばEPSが同じ位の2社があったとして、1つの企業のPERが30、2つ目の企業のPERが15であれば、2つ目の企業の方が「割安」、つまり買いのチャンスと判断できます。
PERの値は「株主の期待度」とも言われており、この期待度にEPSを掛け合わせたのが株価となります。
したがって、EPSが堅調なのにこの期待度が低ければ買い時と判断できるわけです。
配当利回り(%)
1株当たり年間配当金 ÷ 1株の購入価額(株価) × 100
配当金投資を行う企業を見極めるための一つの指標になります。
本記事でも配当金の額を算出するのに紹介していましたが、配当利回りの一般的な目安は2%~5%以内と言われています。
配当利回りが高ければ高配当株と言われますが、本書でおススメする企業はどれも利回りが安定した大型株に該当します。
配当利回りは株価の影響を受ける指標ですが、大型株は株価がそれほど大きく上下に動くことはありません。
ですので、配当利回り2%〜5%の株であれば安心して買い進めることができます。
もし利回りが高い高配当株の投資を行うのであれば、1000万円までの投資の土台を作ってから、追加の投資先候補として検討しましょう。
感想
私は投資初心者ではないのですが、個人的にこの本は大変勉強になりました。
なかでも、「増配を当てにした配当株投資」という手法は、これまでの投資経験のなかで意識したことがないものでした。
しかし読了後には、増配がいかに資産を増やすうえで大切なのか、また今後の資産の見通しを立てるのに役立つのかを理解することができました。
また、「株は権利収入である」というのも大きな気づきでした。
配当金投資は今の生活だけでなく、自分が亡くなってからも家族の生活を支える資産になるうる。これは家族を支える身として大事な要素ですし、知れたことで今より投資のモチベーションが一段階上がった気がします。
そして、早速株を買い足してみました。。
ただし、現行の投資優遇制度を活用した内容にはなっていませんので、新NISA制度にも触れた内容で書かれた2冊目の方がこれから投資をやる方には参考になる部分が多いのかなと思います。
もしご興味があればこちらも是非読んでみてください。
※2冊目の紹介記事はこちら
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
これからもブログの記事向上に向けて投稿を続けていきます。


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