今まで自分が書く文章について考えたことはありますか?
毎日文章を書くお仕事をされている方以外の方でしたら、なかなか自分の文章が読みやすい、読みにくいと考える機会はないかと思います。
そういう私もこれまで自分の文章に向き合ってこなかったなかの1人です。
そんな私があるとき会社の昇格試験に挑戦する機会があり、昇格論文を書かなくてはいけなくなりました。大学ですら論文を書いたことがなかった私が人に読まれる文章を書く、まして論文を書くなんてことは不可能だと思っていました。まして苦行のなにものでもなかったです。。。
そんなこんなで何とか昇格試験は無事に通ることができましたが、いざ社内の役職が上がることで今度は他部署の方とメールで何かのやり取りをする機会が増えていきました。
また当時は社内メールに加えて社内チャットの利用が開始され、以前よりも文字を書く機会が圧倒的に増えてきてたのです。
そんな時、「あれ、私って人より文章書くの遅くないか?」「メール送ったのに確認の電話が度々くる」「また上司から資料の指摘か」とふと思うようになりました。
つまりここで自分の文章力のなさが業務に支障をきたすレベルにあると自覚し始めたのです。
そして最近、ブログを始めてみたわけですが文章がうまく書けず記事が止まってしまう。いざ記事を書いてみても何かしっくりこず書き直そうとする。そもそも書くことすらできない。またまたこのプライベートでも文章の壁にぶつかってしまったのです。
そこで出会ったのがこの本です。安直な考えですがタイトルのように100冊分の文章術を学べたら絶対文章力は上がると思ったのです。
しかしいざ読み進めると目から鱗の内容ばかりでした。
私のように「今まさに文章の壁を感じている」、「人に読まれる文章を書いてみたい」と思っている方には是非おすすめしたい1冊です!
本のタイトル
「文章術のベストセラー100冊」のポイントを1冊にまとめてみた。
著者:藤吉豊さん、小川真理子さん
出版社:日経BP
あらすじ
世の中のベストセラーだと言われている名著から良い文書の共通ルールを抜き出し、共通度合いや重要度からそれらをランキング化したものです。
ざっくりとした章立ては次のようになります。
- 分かりやすい文章を書くために本当に大切な「7つのルール」
- 文章力の更なるスキルアップを図る「13のルール」
- 意見が分かれるけど更に文章力をみがくための「20ルール」
今回は私の独断と偏見で特に重要だと思ったルールを3つ紹介します。
圧倒的結論:文章はとにかく短くシンプルに書くこと
読みやすい文章にするためにはまず何といっても「とにかく文章は短くシンプルにすること」これにつきます。
では具体的にどうすれば良いのか?
それは、
「ワンセンテンス・ワンメッセージで余計な文字を削り、1文の長さを60文字以内にする」ことと本書に書かれています。
これを意識するだけで読み手の負担が減り圧倒的に読みやすくなるそうです。
確かに読みにくい文章は何かと一番に思いつくのが、とにかく文自体が長いために内容が頭のなかに入ってこない文章かなと思います。
ネットで何かを調べて良さそうな記事を見つけても文章が長過ぎると見る気すら失せますもんね。
本書によれば文章を短くシンプルにすることで次の効果を読み手にもたらすそうです。
- 主語(誰が)と述語(どうした)が近づくので、事実関係がはっきりする
- 書き手の「短い文(文章)で正しく伝える」という意識が高まり、「もっとも適した言葉」を選ぶようになる
-”引用:「文章術のベストセラー100冊」のポイントを1冊にまとめてみた。P22”
なんとなく文章を短く書くことで内容が人に伝わらないのではと思ってましたが、その逆なんですね。
これは直ぐに実践できそうなテクニックですし即効性もありそうです。文章を書く上ではまずこれだけは意識しておきたいですね。
意外な盲点:文書を書くためにはメモをとろう
皆さんもいざ文章を書こうと思っても言葉がでてこずに筆がなかなか進まないなんて経験をされたことはありませんか?
私も昇格論文でなかなか筆が進まず一日中、PCの画面に向き合っていた日がありました。。。
本書ではそうならないためにも文書を書く前にメモをとることをオススメしています。つまり書くためにはそもそもの準備が必要だということです。
人間は絶え間なく頭のなかで無意識に何かを考えています。そのため、その時だけの考えをそのまま正確に取り出して文字にして吐き出すことは難しいといわれています。パッと思いついたことをそのまま正確に文字に起こしてといわれても普通書けませんよね。
しかし、メモ書きすることで頭のなかのそれらの情報を一旦整理する時間が生まれます。またそのときにたまたまひらめいたアイデアを書き留めることもできてしまいます。
そしていざ文章を書く際にはそのメモを見ながら書くことで頭のなかにあったことをあらかた吐き出すことができてしまいます。
本書のなかでもメモをとることを次のように話されています。
「自分の思考を紙の上に定着させることのできないものが、他人にわからせる文章をかけるはずがない」
-”引用:「文章術のベストセラー100冊」のポイントを1冊にまとめてみた。P94”
心にグサッとささる言葉ですね。
大人になるとメモをとる習慣はなくなってしまいます。まして文章を書くためにメモをとるなんて考えには普通至らないはずです。私も正直面倒くさいと考えてしまいました。
しかしこの基本的なことこそ文章力アップには重要なことのようです。
このメモ書きしたものを文章にする作業は一定の慣れが必要です。私もはじめのうちは頭のなかの考えをメモに起こして文章化することはできませんでした。
文章を書くためにメモ書きをすることはアウトプットのトレーニングと同じことです。このトレーニングを日々行うことでしだいに自分の頭のなかの考えを言葉化できるようになります。
文章をうまく書くためにメモ書きを習慣化させることはアウトプットの視点でも重要な役割がありそうです。
真似る極意:名文を読み込む
文章が書けてもそもそも人を惹きつける文章なんて書くことができないよと思う方に最後にご紹介したいのが「名文を読みこむ」というルールです。
人を惹きつける文章には何か特別な言葉選びやリズム感がありますし、当然のことですがそれらを自分のものにしてしまえば必然的に文章力は上がっていきます。
では具体的に何を読みこめば良いのでしょうか。
本書では自分が好きな本、こんな風に書きたいと思える本を読みこむことをおすすめしています。
確かに自分が納得した文章、惹かれる文章が書けるようになれば確かに文章力は上がったと言えるかと思います。
私も含めてたいていの人は良い文に出会っても「あー、良かった」と余韻に浸って終わるだけではないでしょうか。文章をうまく書く目標があるならばその文を自分のものにするまで読み込むトレーニングが必要になるわけです。
しかし「自分には好きな本、こんな風に書きたいと思える本がない」という方は何を読めば良いのでしょうか。本書ではそんな方たちに向けてプロがおすすめする作家や名著を紹介しています。
私も実際に読んでみましたが、なかには読むのが難しいものもあります。しかし本書で触れているように読みづらい本に挑戦して脳に負荷をかけることも文章力を鍛える上で重要なことのようです。これも文章力を鍛える一種のトレーニングなんですね。
気になった方は是非、本書を確認してみてください。
率直な感想
そもそもなぜ私たちは文章を長く分かりにくく書きがちなのでしょうか。
確か幼い時期は、文章は主語述語を明確にして短く書くよう学校から教え込まれたはずです。それがどうしていつのまにかこのように書けなくなってしまうのでしょうか。
私はその理由を、幼少期に比べると大人は文章を書くための勉強をする機会がないこと、使いこなせない言葉を無理に使おうとする機会が多いことからだと考えます。
私たちは生きてくことでたくさんの言葉と出会います。またそれらの言葉を自身の環境に合わせて無理にでも使おうとします。(そうしなくては生きていけない生き物です。)
例えば高校生であれば中学校で習うことがなかった新たな学問からたくさんの言葉を学びます。また所属するコミュニティ(部活やアルバイトなど)からたくさんの俗語に触れる機会があります。
また社会人であれば大学生では使うことがなかった単語・言い回し・敬語などを使って上司・取引先とやり取りをしなくてはいけません。それらができなければ人事評価まで下がることになります。
このように生きていくことでたくさんの言葉と出会うわけですが、使い方はその場の雰囲気とか人まねなどで自然に学習します。そして万が一使うことができなければその場から取り残されてしまうため無理にでも使おうとします。
また大人になることで1日の会話量が幼少期と比べると増えていきます。会話はその文脈のなかでのやり取りのため短い言葉のやり取りよりも比較的長い言葉でのやり取りが多くなります。
そのような生活環境でいざ文章を書いてみても会話の癖が抜けず一文一文が長くなってしまうのは当然のことのように思えます。
毎日読書していて言葉の正しい使い方を身に着けている方はこのようなことは起こりにくいかもしれません。しかし私のように読書もせず生きてきた人間は少しでもこのような違和感を感じるのではないでしょうか。
このような違和感を直すには勉強をし直すしか方法がないような気がします。
「何か最近文章が書けないな」「言葉選びに悩むな」と考える機会が最近増えた方は文章の書きた方を勉強し直す良い機会なのかもしれません。
まとめ:こんな人におすすめ!
大人になって文章を書く壁にぶつかっている方や今よりも文章力を磨きたい方におすすめの書籍となっています。
本記事では紹介できていないルールもたくさんあります。本書を読むことであなただけに刺さる文章力アップのルールに出会えるかもしれません。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
これからもブログの記事向上に向けて投稿を続けていきます。
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